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400年の時空を超えて

 陶器の町佐賀県有田。 陶祖李参平がこの地泉山に磁石を発見し、有田焼の歴史が始まって今年で400年になるそうです。 有田と西有田の2つの駅にまたがって国道沿いにズラリと並ぶ陶磁器の店、店、店。 往時の賑わい振りを彷彿とさせます。 昔ガラスのショーケースに古風な柄ゆきのものを並べる老舗と、モダンな作風のものをゆったりしたスぺースに展示するお店があって、その対比が面白く世代の移り変わりを垣間見るようです。

 月に一度19日には必ず訪れるこの有田の町並みには、懐かしさと器好きの私を虜にするいくつかのスポットがあります。 『佐賀県立九州陶磁文化館』 の 「柴田コレクション」 は、その収集点数の膨大さにはため息が出ますが、有田焼の変遷を学ぶのに格好の教材と思います。 『香蘭社古陶磁陳列館』 は宮内庁との関わりの品々を陳列し、第一級の陶磁器の世界が広がります。 特にここに展示してある豆皿には個人的に大変心惹かれます。 

 こちらも宮内庁との関係が深い 『辻精磁社』 。 廃材の耐火煉瓦や窯道具、陶片を赤土で塗り固めた塀 『トンバイ』 が続く風情ある小道沿いにひっそりとあります。 裏手には川が流れ、大火の際に信者が背負って守ったとされる木造地蔵菩薩立像があり、静かにこの有田の町の営みを見守ってきたのでしょう。  この辺りはぶらりと散策するには格好のスポットで、格安のうどん屋さんや有田名物の 『ごどうふ』 のお店、陶器でできた鳥居が珍しく、参道を横切るJRの電車に驚 く『陶山神社』 などがあります。 

 有田町の400年を記念しての広報の映像がありますので、素晴らしい陶磁器の世界と街並みの風情を感じ取っていただければと思います。 また昨年9月は自動車会社レクサスが仕掛ける 『DINING OUT ARITA』 の野外レストランが、先ほどの『辻精磁社』 の前で行われ、シンガポールのN0.1レストラン 「レストランアンドレ」 のアンドレ・チャンの創作料理を、地元の若手陶磁作家とのコラボで成功させ、これを機会に器と料理のマッチングの催しが盛んなようです。 伝統の中にも新しい息吹が感じられる魅力ある有田に、みなさまもぜひ足を運んでみられてください。


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