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おろす道具

 調理の現場でおろすという作業は最近はあまり無いかも知れませんね。 大根・人参・蕪・胡瓜・長芋、それに生姜やわさびと思いつくままに書きましたが、日本にはこうしたおろす道具があります。 あかと呼ばれる銅製の道具には鍋やフライパンやこの卸し金があります。 緑青と呼ばれる体に有害なものに気を付けないといけませんので、扱いはちょっと厄介です。 この卸し金も随分と年季が入って、目立てに出さないといけないのですが、何とか使っています。

 竹でできたこの 『鬼おろし』 は大根や胡瓜、固めに茹でたオクラなどを粗くおろすのに使います。 ざっくりとした口当たりがワイルドで、食感を愉しむのに面白いです。 バゲットやお麩をガリガリとやって、グラタンの焼き目のアクセントにもお勧めです。 卸し金の方は大根や蕪や山芋や生姜をおろすに、軽く力を入れずにふあっとしたものができます。 丸く縁を描くようにおろすのがコツです。  プラスチックのものでは出ない仕上がりです。 そういえば前回ご紹介した当たり鉢でも、山芋を気長にすりおろし味付けしたお吸ものくらいの汁で伸ばすととろろ汁ができます。

 ここにはご紹介してませんがナツメグ卸しというものがあります。 香辛料のナツメグをホールの状態でガリガリやるのに適した形の半円柱形です。 チーズ卸しと云って四隅がすべておろせるようになっているものや、鮫の皮膚をおろす面に張り付けたものがあり、これはよく本わさびをするのに用いられます。 これも日本人がツーンとしたわさびの芳香と辛みを大切に思うからでしょう。 ちなみに大根の先端部分の辛さがきついところをすり、チューブ入りのわさびと混ぜ合わせると本わさびに近いものになりますよ。 お試しくださいね。 今回はおろす道具についてでした。


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